Ⅰ.リフレクソロジーって何?
リフレクソロジーを日本語に訳すと反射学となります。足裏や手の平など体の一部分に身体部分(肩、首など)、器官(臓器)、腺など体全体が反射投影されているという考え方です。
そのため、足裏・手の平を刺激することで、間接的に体全体を刺激したことになります。リフレクソロジーは、施術者が手を使って足裏や手の平の反射点・区を刺激する健康法です。
リフレクソロジーは、今から100年ほど前にゾーン理論を基に反射学として体系づけられました。しかし、その以前からも手や足をもむ習慣は存在しており、人類は直感的にこの足裏健康法を実践していました。
古くは、紀元前2230年ごろのエジプトの壁画に、手や足をもむ場面が描かれています。中国でも紀元前4世紀ごろに漢方医が、足の裏を親指で強く押して治療したという記録が残っています。
このようにリフレクソロジーは、特定の文化や個人によって発見された療法ではなく、異なる時代に異なる場所で直感的に人々がおこなってきた健康法です。
「ゾーン理論」
ゾーン理論(zone therapy)とは、リフレクソロジーの原型となった理論です。
人間の体には右に5本、左に5本、計10本のエネルギーラインが存在しているという考え方です。あるゾーン(足裏や手の平)における刺激は、同じゾーンに存在する身体部分や器官・臓器などにも影響を及ぼすという考えです。
この理論は、アメリカの耳鼻咽喉科医であったウィリアム・フィッツジェラルド博士によって発見されたものです。
1900年の初頭は麻酔の技術も発達しておらず、麻酔による事故が相次いでいました。そのため博士は麻酔を使わずに治療を行っていました。
あるとき博士は、共通して患者がとる行動に気づきました。それは、ほとんどの患者が痛みを和らげようと、足裏や手の平をベッドのふちや角に押さえつけているということでした。
その後、博士は、患者の指に圧を加えることによって、手、腕、肩、あご、顔、耳、鼻に麻酔効果を生むことに成功しました。そして、この技術を使って手術を行っていたということです。
まめ知識 無意識におこなうリフレクソロジー
もともとリフレクソロジーは、麻酔技術が発達していない時代の麻酔として利用されていました。皆さんも歯医者に行った際に、痛みをこらえるためひじかけに手の平を押し付けたことはありませんか。
これも一種の麻酔です。少し難しく言うと、ゲートコントロール理論と言い、自分が感じている痛みを別の刺激によって緩和させることを言います。実際に、リフレクソロジーによって患者の痛みを軽減させる歯医者さんもいらっしゃいます。
Ⅱ.リフレクソロジーのもっとも注目されている“ストレス軽減効果”
科学的実験が証明するリフレクソロジーのストレス軽減効果
リフレクソロジーを受けられるほとんどの方が、施術中に眠ってしまいます。これは、リフレクソロジーの刺激が大変気持ち良いことを意味しています。
施術後、よく ”すっきりした”や”リラックスできた”と言っていただけます。しかし、このような感想はかなり主観的です。では、科学的には、どのようなことが体に起こっているのでしょう?
脳波の実験を行ったところ、あることがわかりました。それは、リフレクソロジーを受けると、脳波がアルファ波に変わるということです。
アルファ波は、心身ともにリラックスした際にでる脳波です。自分の好きな事や趣味などに熱中しているときにも無意識にでるものです。
このように科学的実験からも、施術中にリラクゼーションのバロメーターであるアルファ波が発生することが実証されています。そして、このアルファ波は、施術中はもちろんのこと、施術後も大量に発生することがわかっています。
このアルファ波状態になると、β-エンドルフィンというホルモンが脳内に分泌されます。
β-エンドルフィンは、私たちの体に絶大な効力を持つ物質で、ストレスを低減・解消するのに重要な役割を果たします。β-エンドルフィンには、脳を活性化させる働きもあり、体の免疫力を高めて様々な病気を予防します。
また、アルファ波状態のときには、メンタルブロック(心の壁)が弱まるため、「自分はこうなりたい、こうしたい」という欲求を素直に潜在意識に植え付けることができるそうです。
あのイチロー選手のメンタルトレーナーだった豊田一成氏(スポーツ心理学者)によると、アルファ波が全脳波に占める割合は、一般的に良くても5割程度なのに対し、イチロー選手の脳波は安定して7~8割もの「アルファ波」で占められていたそうです。
米国ミシガン州立大学で行われたリフレクソロジーの研究
ミシガン州立大学の研究によると、化学療法を受ける末期の乳がん患者の“ストレスケア”として、補完医療のひとつであるリフレクソロジーが大変活躍しているということです。
今回の研究では、同大学の看護学部によって実験が行われました。
乳がん患者にいくつかの補完医療を提供したところ、もっとも効果がでたのがリフレクソロジーであることが分かったということです。
実験のリーダーであるグエン・ワイアット氏は、リフレクソロジーがもっとも人気があり、またもっとも効果があったと報告しています。
化学療法を受ける末期の乳がん患者は、肉体的にも精神的にも大変な苦労に耐えなければなりません。
そんな中、リフレクソロジーによって患者のうつや心配が減少し、さらには精神面や感情面における生活の向上がみられたそうです。
ミシガン州立大学は、今回の実験が認められ国立衛生研究所から300万ドル以上もの助成金を受け取り、リフレクソロジーの更なる研究を続けるということです。
まめ知識 アメリカ企業のストレス対策
アメリカでも、経営者を悩ませているのが、従業員が抱えるストレス。このストレスに関連する病気によってアメリカ経済は、年間なんと1,500億ドル以上の損失をしているそうです。
この厄介なストレスは、生産性の低下、離職率の増加、医療費の増加、さらには従業員のやる気までなくしてしまうということです。
そのため、多くの企業では従業員のストレスを少しでも軽減するために、エクササイズ、セルフリラクゼーション、時間管理術、カウンセリングなどを取り入れたそうです。
それなりに効果はあったということですが、これらの方法にはある欠点がありました。それは、従業員に努力を強いるということでした。ストレスを軽減するための努力は、朝から晩まで働いている従業員には更なるストレスになったようです。
そんな中、一部の企業が取り入れ始めたのが、マッサージです。マッサージの場合、ただ身を任せればよいだけです。そのため、従業員にもとても好評ということです。
Ⅲ.健康管理として役立つリフレクソロジーの効果
体の血行が改善される
足は、第二の心臓といわれています。しかし、いつも座ったままで仕事をしている現代人の第二の心臓は、しっかりと働いていません。座ったままでいるということは、足の筋肉が使われていないことを意味します。
通常、足の先まで行った血液は、足の筋肉の収縮や弛緩を利用し、重力に逆らってのぼっていきます。しかし、足の筋肉が使われていないと、血液を押し上げる力に欠けます。
一番分かりやすい例は、女性の足です。女性の足は、すぐにむくんでしまします。これは、男性に比べて足に筋肉がないからです。
足の筋肉が使われていないと、体全体の血流が悪くなり、筋肉のこりが生じやすくなります。
そこで、リフレクソロジーによって足を刺激することで、第二の心臓である足はしっかりと働き、体全体の血行も改善されていきます。
そして、血行が改善されると体全体に酸素が行き渡り、疲労物質である乳酸も分解されやすくなり、肩・首のこりや腰痛も起こりにくくなります。
実際に、科学的実験からも、リフレクソロジーを受けると、膝裏の血流が増大することが分かっています。これは、体を循環する血液やリンパの流れが促進されていることを意味します。
しかし、その一方で多くの方が疑問に思われているのではないでしょうか。
直接、首や肩を刺激したほうが、効果があるのではと。もちろん、直接の刺激によって筋肉をほぐし、血流を良くすることでコリを改善することはできます。この方法はどちらかというと、問題が発生してからの処置です。
一方、リフレクソロジーが行う作業というのは、常に良い血液の流れを保つことで、筋肉に疲労がたまらないようにすることです。どちらかというと、予防的処置と言えます。
また、リフレクソロジーのストレス軽減効果によって、リラックスし筋肉が緩和することで、 首・肩のコリ、腰痛の改善につながることも十分に考えられます。
女性に大変多い足のむくみ、男性にも意外と多い
リフレクソロジーを受けられる方の中には、足のむくみに悩まされている方がとてもたくさんいます。圧倒的に女性の方が大半を占めます。
その理由は、女性は男性にくらべ足の筋肉がないため、足の先まで行った血液を上に押し上げる力にどうしても欠けるからです。
まだ、定期的に体を動かしている方はましなのですが、一日中座ったままの方や立ち仕事の方は本当に大変です。中には、夕方になると、足がパンパンになり朝履いていった靴が入らなくなる方もいます。
リフレクソロジーは、このような足の状態を解消するには、もってこいの健康法といえます。施術後、ほとんどの方が、“スッキリしました”や“靴にスッと入るようになりました”と言っていただけます。
実際に施術をしている側も、刺激をする前の足と刺激をした後の足の違いが、見た目で分かるほどの時もあります。それぐらいに効果があるといえます。
もちろん、この効果がずっと続くわけではありません。ご自分でケアをしていただくことも大切になってきます。
しかし、定期的にリフレクソロジーを受けていただくことで、むくみにくい体質になることは十分に考えられます。
自然治癒力の向上
リフレクソロジーを受けた方なら、恐らく経験されているのではないでしょうか。それは、リフレクソロジーを受けると非常にトイレが近くなるということを。
これは、第二の心臓である足裏を刺激することで、体の血行が改善され、腎臓に流れ込む血液も増えるからです。腎臓は血液をろ過し、必要でないものを尿として体外に排出します。
しかし、体の血流がとどこおり、腎臓に流れ込む血液の量も減ると、排出しなければならない老廃物も、おのずと体内にたまってしまいます。そうなると、体にいろいろな問題が発生してしまいます。
最近、よくデトックスという言葉を聞きますが、これは体内の毒素などを体の外に出すことによって、健康を維持することを言うようです。リフレクソロジーにも十分にこのような効果は期待できます。
リフレクソロジーによって自然治癒力が高まる理由は、血行が改善されることにより新陳代謝が活発になり、体の中の不要なものが排出され、免疫機能が高まるからです。
すなわち、リフレクソロジーを受けることにより、病気になりにくい健康な体を維持することも期待できます。
まめ知識 病んでいる日本人
●日本の会社員のおよそ62%が、職場で強い不安・悩み・ストレスを感じているという結果が、厚生労働省の調査(2002)で出ています。
●産業人メンタルヘルス白書(2005)によると、68%の組合に“心の病”のため、1カ月以上休職している組合員がいるということです。3,000人以上の組合では、なんと、その数字は、83.5%にものぼるそうです。
●東北大の調査によると、現代人の多くが肩こりや目の疲れに悩み、「病気ではない、でも健康ではない」という意識を持っているようです。
●専門機関の調査によると、女性ワーカーの70%以上が仕事の疲れを癒すためにクイックマッサージを利用しているそうです。